闘病中のお母さまと娘さん

以前福岡のピア商品取扱店そらぞらで、私が実際に対応させて頂いたお客様のお話。
50代のお母さまと、私と同年代の30代前半の娘さん。
抗がん剤治療が始まって脱毛する予定なので、ウィッグと帽子の試着をしたいとのことでした。

ご来店されたのは、とてもお洒落なお母さま。
派手に着飾る感じじゃないけど、普段から洋服やメイクに気を遣われているのが分かります。
アートメイクでアイラインもされていました。

娘さんはご結婚されていて、今は一緒に住んでいないけれど、
お洒落で繊細なお母さんの心情を分かってもらえるお店が良いと
ネットでそらぞらを見つけて来店して下さいました。

選ばれたのはシルクスキンの未カットウィッグ。
Lサイズでぴったりでした。
お時間の都合もあって、数日後にお母さまだけでウィッグカットと帽子選びに来ます、ということに。

その日の夜、娘さんから私にメールがきました。
ご丁寧なお礼の文章と、ウィッグ代を先に振込みさせてくれないでしょうか、というお言葉。
もともとお洒落なお母さんが病気になって、
自分にも心配や迷惑をかけてしまったと落ち込んでいる。
だからせめて、これから長い付き合いとなるウィッグはプレゼントさせてほしいとのこと。

優しいお母さんだから、一緒に来店したときや、ましてや面と向かって切り出しても
きっと受け取ってくれないから、直接連絡しましたと書いてありました。
もちろん、お受けしました。

そしてお母さまの再来店の日。
ウィッグをカットして、帽子を選んで。
ご精算のタイミングでウィッグは娘さんからのプレゼントなので
お代は結構ですよ、とお伝えしました。
「えっ・・・」と言葉を詰まらせて、涙がこぼされました。
こんなに迷惑かけてるのに、あの子はまだこんなことしてくれるんですか、と。

「お母さんが身体も心も元気になってくれたら、それが一番嬉しいと思いますよ」と
私は、ただ隣でそんなことをお話ししていました。
でもそのあと、頑張ります、と少し笑ってくれたお顔が忘れられません。
私は外の人間だけど、逆にその方が相談しやすいことがあったら
いつでもご連絡ください、と伝えてお見送りしました。
支えてくれる家族の存在は、尊いですね。