②脱毛初期を切り抜ける。

さてさて、第二回。早速本題です。

最初に脱毛した時はもちろんウイッグもなく、
帽子もキャップなど髪の毛がないと似合わないものしか持っていませんでした。
どんなものだったら少しは似合うのか。
一歩踏み出せたのは、以前抗がん剤治療で脱毛経験のある友人がニットの帽子を貸してくれたから。
すっぽりかぶれるニット帽は他の帽子に比べて違和感が少なく、
わずかに残った髪を外に出して、サングラスをかけて、
「お洒落してます」感を自分なりに出してました。多分そうは見えなかったでしょうけど。笑

今思えば、帽子用つけ毛などを知っていれば、もっと帽子の幅が広がったと思います。
ただ、当時はスマホもパソコンもなく、情報がなかったのでこれでしばらく対処していました。

そして、気持ちの面。
GW明けから休職したのですが、それまでは毎日が相当な苦痛でした。
社内にいても、後ろに立つ人が気になる。
会議や研修があれば、最後列に座りたいけど、中々うまくいかない。
お取引先に行けば、担当者の目線が気になる。お辞儀がぎこちなくなる。
でも、笑っていなければ周りに心配をかけてしまう。
しょっちゅう顏を合わせる人たちに、自分はどう映っているのか?
ちょっと考えただけで暗くなるので、休職を決めた後は正直ほっとしました。

1日家にいて、必要な外出以外は避けて、ただ毎日を過ごす。
人目を気にするストレスは減りましたが、今度は孤独感が襲って来ました。
いつまでこうしているのか?生活費はどうするのか?
19歳から社会人になった私にとって、社会に置いて行かれている感じは大きな不安でした。
いつか病院で、「脱毛症になった後に、うつになる人もいる。」と言われたことが
妙に納得感を帯びてきたのを覚えています。

その後仕事復帰も視野に入れて、12万円ほどのウイッグを購入し、
少しずつ普段の生活に戻る準備をしました。
でも、どうしても気持ちが前へいかない。
ウイッグを被っていても、みんなが自分の頭を見てる気がして落ち着かない。

そんなある日、一人で沖縄へ行こうと思いつきました。
母の実家があり、私も昔からよく行っていた懐かしい場所です。
ただ、親戚でも気を遣うので、北部の滞在型ホテルを手配してもらって、
なんと1泊1000円で(笑)キッチン付きのホテルを1週間予約。
すると、少し前にお母さんをがんで亡くした学生時代からの親友が同行することに。
「お母さんの脱毛時期も全部見てきたから、何も気にしなくていい」
と言ってくれて。ホテルのテラスで肩上位まであった私の残りの髪も、
その友人が2cmほどに切りそろえてくれました。いわゆる坊主です。笑
「長いと抜け毛が目立つし、短い方が頭がすっきりして、髪が生えてくるのも分かるよ」と。

その通りでした。なぜか髪を切ることをためらっていたのですが、
いざ切ってみると気持ちも少しすっきり!
沖縄では、ウイッグを被ってシュノーケルをしたり、
ドライブをしたり、とにかくのんびり過ごしてリラックス。
海は無理かも、と思いましたが、ゴーグルのゴムで逆に大丈夫でした。笑
何より勇気がでたのは、その親友が私のウイッグ姿を見て、
「似合っとーよ!私が見てもウイッグって分からん。大丈夫!」と言ってくれたこと。

この頃から少しずつ前向きになり、外出するようになりました。
人目が怖くて本来の行動的な自分が影をひそめていたのですが、
ウイッグを被る機会を増やして自分が会いたいと思う人たちと会いました。
人と会うことで優しさを感じ、元気をもらい、
「まだ頑張れるかも。」 と思えるように。

私が思うに、脱毛初期を切り抜けるに大事なことは、
一人で抱え込みすぎない事だと思います。
信用できる人、友人、家族、誰でもいいから共有できる人を見つける。
それから、情報を得ること。
当時スマホやPCは持っていませんでしたが、人と会うことで
その人や更にその人の知人の脱毛の話を聞く機会が得られました。

同じように悩んでいる人もいる。自分だけじゃない。
普通に生活している人もたくさんいる。
ということは、普通に生活するための方法も、ちゃんとあるってこと。

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次回は、仕事復帰してからのウイッグ生活を書きます!
寒いですので、みなさん体調に気を付けてくださいね。
元気に年の瀬を迎えましょう。